白井晃演出舞台「テンペスト」の音楽のこと( 2 )。    2014.5.27

mamamilk_tempest1

シェイクスピアの「妙なる楽の音」の楽譜、サラウンド再生パート。河原田さん作成。(東京 新国立劇場 2014 )

「プロスペローという、初老の男性の記憶の物語にしたい。」

白井晃さんが『テンペスト』の松岡和子さんの端正な翻訳を携え、記憶の集積地へ飛翔されてゆく隣で、私たちは追憶のための甘美な音楽を奏でようと思いました。

例えば、季節の風に肌を撫でられた時に、記憶の中の風景が目の前に広がるような。
肌で感じる音楽。
曖昧な質量を纏い、心をふわりと震わせる音楽。
劇場空間を自由に行き来するような立体的な音楽。
きっとそれが、シェイクスピアの言う「妙なる楽の音」でもあるでしょう、と。

最初に白井さんが選ばれたのは、プロローグとエピローグのための、オルゴールの小さな曲でした。
ですからまず、この始まりと終わりの2曲を繋ぐ音楽として作ったのが「エアリエルの歌」です。
記憶の物語の中を、風のように流れ続けられるシンプルなメロディを、いただいた歌詞に添えました。

そして、この音楽を劇場空間で色々に響かせられるよう、mama!milk+トウヤマタケオさんの生演奏と、Gutevolkさんによるサラウンド音源の再生を重ねあわせることにしました。

…… エアリエルが歌うその声が劇場を自由に駆けめぐるよう。
時には女神たちの舞曲となったり、何千ものこだまとなって響きあうよう。
また、時には舞台上の小さな楽団も演奏したり、その声と共演して遊べるよう。

この生演奏とサラウンド再生を有機的に繋げながら、要の台詞をひきたてるための、井上正弘さんをはじめとする音響の方々や、音楽アドバイザーの稲荷森健さんの、緻密でダイナミックな試行錯誤の、鮮やかで素敵だったこと!

こうして「テンペスト」の音楽の枝葉がどんどん広がってゆきました。


mama!milk

▶ 舞台「テンペスト」2014年5月15日〜6月1日 新国立劇場
http://www.nntt.jac.go.jp/play/tempest/

[[ mama!milk NOTE ]] 白井晃演出舞台「テンペスト」の音楽のこと( 1 )。
[[ mama!milk NOTE ]] 白井晃演出舞台「テンペスト」の音楽のこと( 3 )。

NOTE

  • 2017
  • 2016
  • 2015
  • 2014
  • 2013
  • 2012
  • 2011
  • 2010