新作「Vanilla」発売。演奏者、技術者よりコメントが届いています。    2015.4.25

mama!milk_Vanilla_note

mama!milk / Vanilla


[ 新作アナログ7インチシングル「 Vanilla 」へ寄せて ]

三人の子持ちになってからも、夢見る女学生のような気分を残していた母親だった。
晩年、痴呆を発症してから、よりいっそう夢見ることが多くなり、ぼくの名前と同じ響きを持つ叔父の名前をひたすら呼んでいた。
四国の山奥で生まれ育ったおかっぱの少女が、父に見初められて結婚。戦後の好景気に都会に出て来た、映画好きで人付き合いの苦手だった母親の一生を想う。

トウヤマタケオ ( ピアノ, マリンバ )

大阪市内の、目眩がするくらい重厚で美しい場所での特別な演奏の興奮が冷めやらぬ気持ちの中、翌日に同じメンバーで録音した6年前の年の瀬。
敬愛する演奏家の皆さんとの思わず笑みのこぼれる、でも時折ビクッとするくらいの緊張感が走る現場で、鈍い銀色の笛にうっとりしながら吐息を吹き込んでいた日のことを今でも鮮明に思い出します。
この、ひときわ手間をかけ、熟成の時間を惜しみなく与えられた贅沢な音楽は、きっとみなさんにも長い時間をかけて味わっていただけると思います。 Bon appetit.

井登友一 ( フルート )

2008年12月、大阪綿業会館でのコンサートの翌日に皆でアナログ一発録音した、”Gala de Caras”は、淋しげで切ない、迷子の仔猫のようなヴァージョンだった事を記憶している。6年の月日が流れ、迷子になったこの音源がブラッシュアップして蘇ったのを耳にし、あの時の仔猫は、成長して無事にm!mの二人の元に戻ってきたんだなと憶うと胸が熱くなった。

Gak Sato ( テルミン )

時間と言うものが、過去から未来へと流れるなんて、本当だろうか。時を隔ててここに重ねられた音楽という時の欠片は、本当に過去から未来へと流れているのだろうか。ならば、この世界に失われない何かなどは無く、永遠は幻。そうであるのか、そうではないのか、問いかけても応える声は無いけれど、それでもこの心からこぼれ出す何かに形を与え、歌おうとする心が僕等には有るのだ。確かに有るのだ。曲は始まって終わる。それは本当だろうか。音楽は、始まる前から既に始まってはいなかったか。曲が終わった時、それは失われた時ではない。A面とB面にただ1曲つづのこのレコードにはしかし、幾つもの時の欠片と幾つもの歌おうとする心が刻まれている。

高橋ピエール ( マンドリン, ギター )

Vanilla の録音で久しぶりに使うことになった8トラックのアナログレコーダーは多少のメンテナンスを必要としましたが、素晴らしい音を記録してくれました。出来るだけコストや手間を考えずにこれからも使っていきたいと思いました。
海外ではCDからアナログレコードへと逆行していきつつありますが、これは当然の流れなのかもしれません。

林 皇志 Sience Audio Recording ( 録音、ミックス )





バルセロナの初夏の二人のこと、
彼が私にささやいたこと、
うっとり目を閉じるマダムのために身体が壊れるまで「真夏のヴァニラ」を奏でたこと、
クロード・オーブリエの冒険譚、
録音スタジオでのこと、
彼女の秘密のこと、……全部、mama!milkの「Vanilla」。 

生駒祐子 mama!milk ( アコーディオン )

音楽の歴史、楽器の歴史、録音再生技術の歴史。そのほんの端っこに居る僕たちの演奏が、レコード盤に刻まれた。
この刹那の記録が、遠くどこか見知らぬ街でも、瑞々しく響き続けますよう。 

清水恒輔 mama!milk ( コントラバス )


mama!milk 新作アナログ盤7インチシングル「Vanilla」。
詳細はこちらをご覧ください。

[[ mama!milk DISCOGRAPHY ]] Vanilla

mama!milk vanilla note2

「Vanilla」のカッティング。2015年3月17日 東洋化成にて。

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